毎月一冊のアニュアルレポート/統合レポートを取り上げ、レポートの特長や見どころなどをご紹介しています。
2015年2月:フロイント産業株式会社
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「今月の一冊」はフロイント産業のFREUND Report 2014です。同社は、主に医薬品業界向けに医薬品製造装置や医薬品添加剤を製造しているメーカーです。JASDAQ上場の中小型企業と位置付けられますが、IIRCのパイロットプログラムに参加するなど、統合報告に熱心に取り組んでいらっしゃいます。現在、統合報告に取り組んでいる多くは東証1部上場の大手企業で、従来のアニュアルレポートを統合レポートとして編集されているケースが多く見られます。一方、同社の場合は、昨年度から事業報告書を統合レポートとして進化されました。アニュアルレポート級の冊子を発行するにはハードルが高いと感じられる、規模の小さめな企業にとって、参考になる事例ではないでしょうか。
今年度のレポートでは、冒頭で創業来の歩み、ユニークなビジネスモデルの図解に加え、対峙しているマーケット動向も解説されており、会社の基礎情報を短時間に理解できる工夫がなされています。こういった情報を把握したうえで、トップメッセージや中期経営計画、具体的な取り組みの解説を読み進めることで、読者は納得感をもって同社への理解を深めることができます。また、研究開発への言及において、特許競争力指標をKPIとして公表し、特許の有効性について客観的な評価が試みられている点も実にユニークです。
小粒ながらも世界で活躍する日本企業「フロイント産業」。同社の魅力あふれる一冊になっていますので、是非ご一読ください。
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2015年1月